公務員ってコネ採用多いんですかってよく聞かれます(笑)
ググっても「公務員の7割がコネ採用」なんて記事も出てくるぐらいです。
そこで政令市で人事として採用に関わっていた僕が公務員のコネ採用の実態を暴いていきます。
この記事を読めば
・公務員にコネ採用はあるのか?
・自治体は対策をしているのか?
・コネは作れるのか?
・面接で有利になるコネの作り方・使い方
が分かるようになっています。
もくじ
筆者はコネ合格?
コネはありません
僕は残念ながらコネはありませんでした。
むしろ、実はコネがあったかもしれない地元の自治体は新卒時と早期退職した際の2回受けて、2回とも落とされてました(笑)
公務員浪人して入った自治体は地元とは離れた場所で全く知り合いもいなかったので、コネはないと言い切れます。
公務員試験はコネが多いと言われる理由
家族・親戚に公務員の人が多い
僕はコネはありませんが、職場には両親や親戚が公務員という人が一定数(全体の数がわかりませんが、3割以上いるかも)いました。
特にこの傾向は田舎ほど強いらしく、大卒で地元(田舎)に残るなら公務員が一番いい仕事っていう地域もあるみたいなので、その地域はもっと割合が多いはずです。
そのため、「家族や親戚が公務員な人が多い→公務員はコネ採用」と思われるようになったのかもしれません。
公務員試験にコネ採用はあるのか?
筆記試験
筆記試験は選択肢形式で、得点が高い人が合格するシンプルな形式なので、コネの要素はゼロです。
完全な実力勝負の世界です。
しかし例外をあげるとすると、山梨市の市長が特定の受験者を合格させるために、筆記試験の点数を水増しして逮捕されるという事件がありました。
虚偽文書作成の罪で前山梨市長を起訴 市職員不正採用事件 産経ニュース
でも結局はバレるので、逮捕されるくらいのリスクを冒さないと筆記試験でコネは使えません。
さらにこの事件を機に世間の目がより厳しくなり、各自治体は対策を講じるきっかけになりました。
面接試験
面接に関しても基本的にコネはありません。
面接官がその自治体独自の基準に沿って評価していくだけだからです。
ただし、知り合いや知り合いの家族、面接官の家族や親戚に対しては甘く採点してしまう可能性がないとはいいきれません。
むしろよっぽどひどい出来でない限りは確実に加点するはずです。
面接官だってただの人なのでどうしようもないところはあります。
結論
結論を言うと筆記試験ではコネ採用はないと言っていいでしょう。
ただし、面接では面接官はただの人なので、知り合いに対して甘い採点になることはありえます。
その意味ではコネ採用の可能性を100%否定できないのが、実際のところです。
しかし、それは公平性を重視する公務員として許されないことです。
そのため、多くの自治体はコネ採用を防ぐための取り組みをしています。
自治体のコネ対策
名前を明かさせない
最近は筆記試験、面接試験ともに「名前を言っては(書いては)いけない」というルールを設けている自治体が増えています。
この場合、筆記試験では答案用紙に受験番号だけを書きます。
面接では名前を明かさずに「受験番号〇番です。よろしくお願いします」と受験番号だけで自己紹介してもらいます。
そのおかげで、名前を聞いて「〇〇さんの子供・親戚かな?〇〇さんにはお世話になったから、どうしようかな~」とか思うケースを防げるんです。
たまに起こる事件
この「名前を言ってはいけないルール」で採用をしてるとたまに事件が起きます。
事件と言っても緊張のあまり面接時に「受験番号〇番、△△(名前)です」って名前明かしちゃう人がいるんです。
その場合、ルール違反なので大幅な減点されかねません。
だって、ルールも守れない公務員なんてってダメですもんね。
でも、それではかわいそうですし、実はその人が優秀な可能性もゼロではないので、名前言いだした瞬間に司会が大きく咳ばらいをします(笑)
その後、「名前言ったらダメですよ~」と笑顔で注意をして何事もなかったかのように面接を再開します。
受験番号〇番!りょ...(うたと申します....)
あ....
あー!ごほん!!!
「名前言ったらダメなんで気を付けてくださいね」
あ、はい....すみません...
ここまで極端ではないですが、わかりやすくすると↑みたいな感じです。
なので、司会をする時は「もしもの事態」にそなえて、自己紹介時に大きな声で咳ばらいをする準備をしていました(笑)
ちなみに、名前を明かすというミスをしてしまうと、ほとんどの方が内心パニックになるらしく、面接自体の出来もひどいことが多いみたいです。
僕も4年間で1度だけ、遭遇したことがありますが、かわいそうなくらい取り乱していて見ていて辛かったです。
(その方は取り乱したせいか面接の出来もひどかったので、不合格になってしましました)
コネがありうる自治体
多くの自治体がコネ対策を始めてるので、コネ採用は確実に減っているはずです。
しかし、コネ採用しているかもしれない自治体もあります。
コネ採用のある自治体の条件
コネ採用をしているかもしれない自治体の特徴は規模が小さいことです。
そのような自治体では 仮に「名前を明かさない」 ルールがあっても、受験者の家族と面接官(もしかしたら首長)が顔見知りの場合があります。
また、自治体は名前を明かさないルールを設けてない場合、直接の顔見知りでなくても名前を聞いて「○○さんの子供・親戚なら、お世話になったし、加点するか!」となりうるんです。
ただし、複数の面接官の評価で合否が決まるので「コネがある=採用」とは言えません。
同レベルの人がいたら、コネがある人を強く推す面接官がいるので、コネがある方を取るかってなるレベルです。
以上のように、多少の対策を取っていても採用を完全に機械化しない限りコネ採用を100%なくすのは無理かもしれません。
ただし、それを防ぐために多くの自治体は感情に左右されず、冷静な判断を下せる人を面接官にしているので、コネの影響は大きいとはいえません。
コネがないなら作ればいい
基本的にコネの影響はないか、あったとしても限定的だと説明しました。
しかし、コネはあっても損することはありません。
でも、コネがある人なんて少ないですよね。
そこで、最後に「面接で有利になるコネの作り方(合法)」を紹介します。
安全なコネの作り方
コネを作ると言っても、「面接官の家族になる」なんて面接官の家族と結婚するとか、養子縁組をするとかしないと無理ですよね。
もちろん、そんなほぼできないことをする必要はないです。
僕がオススメするコネの作り方を紹介します
・直接自治体の役場に行って、雰囲気を見る
・自治体の催しに参加して、職員に話を聞く
・(自治体の取り組みを調査してるなどと言って)アポを取り話を聞く
たったこれだけでいいんです
コネの使い方
こうやって作り上げた安全なコネを面接の志望動機ややりたい仕事の時にアピールします。
これは自分自身が行動して初めて生まれるコネなので、「行動力のある人物」と高評価されるんです。
ちなみに僕も市の政策を取り仕切る企画課(自治体によって名前はいろいろ)に連絡を入れて、お話を伺ったことがあります。
それを面接でやりたい仕事を聞かれた際に「職員の方に伺ったのですが...」という風に言うと「わざわざ話聞きに来たの?」と言われ、感心していただけました。
また、去年アドバイスして市役所(C日程)に合格した方も、面接官の雰囲気が変わったと報告してくれたので、効果は抜群です!
ちなみに、このコネの作り方や使い方は以下の記事で紹介しているので、気になる方はご覧ください。
面接で高得点をとる裏技 【元市役所人事が教える公務員試験の面接対策】
さあコネを作りに行こう!
・筆記試験ではコネは意味がない、実力勝負
・面接ではコネがあるといい評価をもらえる可能性がゼロではないが大幅な加点はない
・コネ採用を防ぐために、自治体は対策を練っているのでコネ採用は減っている
・自分で行動して作ったコネは高評価につながるのでオススメ
世間で言われているほどコネ採用はしてないと思います。
でも、100%ないわけではありません。
と言っても気にするほどの影響があるわけでもないので、心配する必要はないです。
それよりも自分で行動してコネを作った方が有益ですよね。
さっそく行動してみませんか?