公務員試験の林業・林学の勉強方法がわからない
林業のオススメの参考書ってある?
教養試験の難易度は?
面接対策は何をすればいいの?
こういった疑問にお答えします!
この記事を書いている私は公務員浪人を経て政令市に入庁後、採用試験で面接官を経験。現在は障害のある方の就労支援やTwitterやブログで公務員を目指す方のサポートを行っています。
公務員予備校はたくさんあるのに、林業専門の講座がある大手予備校はほとんどありません。
同様に林業の勉強方法を解説した本やサイトも少ないです。
そのため、県庁林業職や国家公務員の林学を受ける方にはどうやって勉強すればいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では
今年度(令和元年度)の試験で県庁林業職に社会人から合格された方へのインタビューをもとに林業・林学のオススメの勉強法
を紹介します。
この記事を読んで、しっかり勉強すれば林業職や林学職の合格に近づくはずです!
もくじ
林業職・林学職に対応する予備校・本・サイトが少ない理由
林業職・林学職専門の講座はほとんどなく、独学を選ぶ方が事務職の試験に比べて圧倒的に多いです。
専門の講座が少ない理由は単純に林業職や林学職のそもそもの募集人数が少ないから。
そのため、受験者数も少なくなるうえに、指導には専門的な知識を持つ専門の講師が必要なので、予備校にとってはコスパが悪いというのが本音でしょう。
さらに林業職・林学職対策の本やサイトが少ない理由も上記と同じです。
加えて、林業職・林学職の現役職員や元職員があまり情報発信をしていないのも原因かと思います。(職員の絶対数が少ないので仕方ないですね)
しかし、そのおかげで林業職や林学職には手を出しにくく受験者数が増えにくい、つまりは倍率が高くなりにくい傾向があります。
だから、公務員を目指す方には実はオススメの職種なんです。
オススメの勉強方法
では、さっそく今年度某県庁の農業職に合格された方(Kさん)へのインタビューをもとにオススメの勉強方法を紹介していきます。
教養試験対策
Kさんが受けた自治体だけでなく、県庁林業職の筆記試験は「教養科目+専門科目+専門科目の小論文」という出題形式が大半です。
その中でも、教養科目は専門科目からの出題はなく試験範囲は市役所C日程と同じで、難易度はC日程よりやや難しいレベル。
しかし、教養科目のうち数的処理と文章理解以外の問題、つまり社会や理科にあたる問題は自由に選択して回答する形式をとる自治体も多いです。
わかりにくいかもしれませんので、具体的に説明します。
例えば
教養科目40問のうち、30問(数的処理、文章理解、時事など)は全て解いて(必須解答)、残りの10問は自分が解ける問題を自由に選んで解答するパターン。
この場合、本当に解ける問題だけ選べばいいので、例えば「物理は苦手だけど化学や生物は解けるという人」、「地理はわからないけど歴史は得意という人」のように得意不得意分野がある人には助かる形式です。
もしくは
教養科目40問のうち30問は同様に必須解答。しかし、残りの10問を社会科学(地理・日本史・世界史など)、もしくは自然科学(物理・化学・生物など)から、というように問題を個別には選べないものの、出題分野のみ選べるパターン。
この場合は、先ほどよりも選択の自由度は下がりますが、理系科目が得意な人、文系科目が得意な人には助かる形式です。
この2つのどちらかの出題形式をとる県庁が多いため、教養試験の対策は事務職に比べて楽です。
しかも、選択式な上に事務職に比べて合格者平均点も10点近く低い傾向があります。(実際にKさんが受けた自治体の林業職の教養の平均点は事務職より20点以上低かったそうです)
そのため、教養試験対策は最低限、「数的処理」「文章理解」「時事」さえ押さえておき、直前期や空き時間に得意科目を過去問500などで勉強すれば十分です。
(注)選択形式でない自治体もあります。
しかし、仮に選択形式でなくても数的処理、文章理解、時事だけで全出題数の6割以上を占めるので、この3分野を固めておけば教養試験は安心です。
専門試験対策
上記の記事でも紹介していますが、数的処理や時事のオススメの勉強法と同じで、林業・林学の勉強法も問題演習がメインです。
というより範囲も広いため出るとこだけ勉強しないとキリがありません。
しかし、林業・林学職には他の職種のような過去問を集めた参考書がないため、自分で過去問を集める必要があります。
また、地方上級(県庁)の農業職試験の過去問は試験後に回収されるため、出回っていません。
そのため、人事院から過去問を取り寄せる必要があります。
※過去問を請求してから自宅に届くまでに一か月以上かかるので、早めに請求しましょう!
人事院への過去問の請求の仕方はコチラの記事で解説しています。
国家公務員試験の過去問入手方法を解説
過去問は林業関係の職歴があったり、大学で林業や環境などを学んでいないと解けないので安心してください。
県庁に合格したKさんも初めは何が書いてあるか意味が分からなかったそうです。
しかし、そんなKさんが合格するためにやった勉強方法は次の通り。
①過去問をコピーして、ノートに張り付ける
②各選択肢の誤った部分をマークし、正しい内容に書き換える
③関連した知識や統計データをノートに書き加える
これを5年分の過去問で行ったそうです。
1年分が40問なので、40問×5=200問とかなり大変そうですが、3年分解くと同じ内容が増えてきて作業が楽になるとのことなので、最初は大変ですが最低でも3年分(できれば5年分)取り組みましょう!
ただし、この作業をする際に必要な参考書や統計資料があるので、次はそれを紹介します。
林業白書
林業に関わる最新の統計データが載っている本です。
林野庁が発行していることもあり、林学試験では森林・林業白書と同じような問題が出題されています。
この森林・林業白書は林業・林学試験に挑むなら必読ですが、古いデータだと意味がないので必ず最新版を使いましょう!
※楽天では最新版は売り切れになっていましたが、Amazonでは最新版を売っていました。
森林・林業実務必携
東京農工大学農学部森林林業実務必携編集委員会編集
森林白書と実務必携の2冊があれば、7割近い問題に対応できます。
しかし、実務必携は8千円と高額なのがデメリットなので、必要な時に図書館で借りるという手もないわけではありません。
(注)コロナウイルスの影響で閉まっている図書館が多く、また全ての図書館に置いてあるわけではないので買っておくのがオススメです。
図解 知識ゼロからの林業入門
こちらは林業の入門書です。
Kさんも初めにこの本を一読してから勉強を始めたことで、イメージがつきやすくなったそうです。
図解というだけあって実際に図が多く、何の知識もない僕でもスラスラ読めたので、初心者にこそオススメ。
入門書なので基本的な知識が身にき取り組みやすくなり、挫折しにくくなる効果はありますが、この本だけでは成績は伸びません。
最初から林業白書と実務必携、そして過去問で勉強するのが最短ですが、わからない内容を勉強するのは苦痛だと感じる方は購入を考えてもいいと思います。
仕上げは過去問
以上のように参考書と過去問を使って勉強しますが、最後の仕上げもやはり過去問です。
既に解いた問題でも時間がたてば忘れてしまうことがあります。
また、仕上げを行うのは本番の1か月前程度で十分間に合いますが、注意点としては時間を計って解くようにしましょう!
その方が本番気分を味わうことができますし、時間配分の練習にもなるのでオススメです。
小論文対策
林業・林学の試験では専門分野の小論文試験が課されます。
主な出題形式は、農業・農学関連の新聞記事や統計データが示され、それを元に与えられたテーマに関して論述するパターン。
ただ、どんな内容が出てくるのか分からない上に示された記事や統計データを見ればある程度は書けるとのことなので、専用の論文対策は必要ありません。
専門試験の勉強をする中で最新のデータやその解釈も身につくからです。
しかし、どれだけ内容がよくても小論文の基本的な書き方が理解できていないと内容以外の部分で減点されることがあります。
そこでオススメなのが、こちら
全試験対応! 直前でも一発合格! 落とされない小論文
この本は公務員試験を含むあらゆる分野の小論文を指導した作者が、その指導経験と2000枚の答案をもとに作り上げた「落とされない小論文」の書き方をまとめた本です。
小論文の指導に特化した小論文専門塾の指導者である作者だけあり、多くの人がつまづくポイントを熟知しています。
さらに、 作者自身がどうすれば高得点を取れる小論文・作文が書けるかも知っているため、この本一冊を読めば、誰でも高得点を取れるようになるんです。
この本についてもっと詳しく知りたい方はコチラの記事。
小論文に不安がない方には必要ないですし、勉強の優先順位は配点的にも「専門試験⇒教養試験⇒専門試験の小論文」なので余裕があればで大丈夫です。
林業・林学職の面接対策
この記事で紹介した参考書・方法で筆記試験は突破できるはずですが、公務員試験は面接重視なので、面接対策も必須です。
ただし、事務職に比べて面接の配点は低く、県庁農業職の面接の場合、倍率も低いことが大半。
それでも、面接対策を全くやっていないと危険です。
特に筆記試験合格後に自己PRや志望動機などの面接カードを提出させる自治体では試験が終わってから1か月以内に面接カードを作る必要があります。
そのため、ろくな準備もせずに慌てて面接カードを作って、それが原因で面接で爆死する可能性があるんです。
せっかく一生懸命勉強したのにたった20分程度の面接で落ちたらもったいないですよね。
だからこそ、面接対策はしっかりやらなくてはいけません。
そうは言っても、林業・林学職だからと言って専門的な質問ばかりではないので安心してください。
基本的に、志望動機とか頑張ったこととか事務職と同じようなことを聞かれますが「なぜ林業・林学職なのか」が伝わらないと危険です。
でも事務職でも「なぜ〇〇(自治体や省庁)なのか」という質問はありますし、事務職と同じ対策で問題ありません。
そのため、具体的にやるべきことは事務職と同じで
・志望先の重要施策のリサーチ
・志望先が求める人物に合わせた面接カードの作成
で大丈夫です。
志望先のリサーチや面接カードを作成するのに以下の記事が役に立つかと思います。
最後に:さっそく行動しよう
ここまで読んでくださった方は、初学者でも公務員試験の農業職・農学職に合格できる方法が分かったかと思います。
このやり方で実際に合格した方もいるので、間違いありません。
あとは当たり前ですが、やるかやらないかで決まります。特に行動するなら早いに越したことはないですよね。
早ければ早いだけ、勉強やリサーチ(面接対策)にさける時間が増え、合格に近づきます。
しかも今回紹介した参考書は全て買っても約1万円です。1万円なら県庁職員になれば初任給(約20万円)で一瞬で元が取れます。
今働いている方で勉強時間が取れないと思う方もいるかと思いますが、Kさんも働きながら半年未満の勉強期間で合格されています
悩んで後から後悔するよりも、挑戦してみましょう!
補足 公務員を目指すなら早い方がいいです
この数か月でコロナウイルスが経済に大打撃を与えたことで、不安定な民間よりも安定した公務員を選ぶ方は確実に増えていきます。
(実際に公務員試験の指導に関するお問い合わせは内定取り消しのニュース以降特に増えました)
公務員人気が高まった中でも合格を勝ち取るには、少しでも早く行動することが必要なので、迷う暇があれば行動を起こしましょう!
以下は公務員を目指す方にお勧めの記事です。
以上です。最後までご覧くださり、ありがとうどざいました。