てんかんだけど公務員にはなれるの?
てんかんだと公務員試験で不利になることはある?
という疑問を解決します。
てんかんは日本だけでも100万人以上の患者がいる、つまり120人に1人はてんかんと言われておりかなり身近な病気です。
実際に薬を飲めば症状を抑えることができるため、「実はてんかんなんです」という人はあなたの周りにもたくさんいるはず。
それにも関わらず症状への理解が進まないために就職で不利になるケースもあります。
そこでこの記事では
てんかんでも公務員にはなれるか
てんかんだと公務員試験で不利になることはあるか
を解説します。
ちなみにこの記事では障害者枠ではない試験を受けることを想定して書いています。
障害者枠の受験を考えている方はこちらの記事をご覧ください。
筆者はてんかんの発作が原因で会社をクビになった経験、政令市の人事として採用面接に関わった経験(若手面接や集団討論の面接官)があり、この記事の信頼性の担保になるかと思います。
もくじ
てんかんでも公務員になれます
まず結論としててんかんでも公務員になれるので安心してください。
実際に僕もてんかんの発作が原因で新卒で入った企業を2ヶ月でクビになりましたが、1年間の公務員浪人を経て政令市を含め複数の自治体に合格しています。
もちろん不合格になった自治体もありますし、民間をクビになった年に受けたC、D日程の市役所は全滅しました。
ただし、しっかり対策を立てて挑んだことで翌年は難関と言われる政令市に合格することができました。
ちなみに今は奥さんの転職を機に公務員を辞めています。
しかし、その後関わっている障害のある方の就労支援事業でも何人ものてんかんの方が公務員になるのをサポートしています。
なので、てんかんだからと言って公務員になることを諦める必要はありません。
てんかんだと公務員試験で不利になる?
てんかんだという理由で公務員試験で不利になることは「筆記試験では」ありません。
筆記試験は単純に学力を測るだけだからです。
しかし、面接では不利になる場合があります。
それは以下のケースです。
・最近発作が起きた
・就業上の制約がある
・面接官の理解不足
それでは一つずつ解説していきます。
最近発作が起きた
最近(具体的には面接試験の1年以内)に発作が起きた場合は不利になる可能性が高いです。
なぜなら、発作が起きて1年も経ってないなら人が「今はもう問題ありません」といったところで信じてもらえないから。
特に公務員には採用しても職場に合わなかったり、仕事が大変だったりして体調を崩したり、ストレスを抱えたりして休職する人が少なくありません。
自治体や部署によっては人員削減で一人一人の負担が年々重くなっている場合もあります。
そんな中で休職されてしまうと他の職員の負担がさらに重くなってしまうので、体調面に不安がある人は雇いたくないというのが面接官の本音なんです。
就業上の制約がある
てんかんの発作が起きると原則2年間は車の運転が禁止されますよね。
特に市区町村では車を運転する機会が多いため、面接では不利になる可能性が高いです。
また、車の運転以外にも夜間の勤務を控えるように医師から言われていると不利になる可能性があります。
公務員は世間のイメージと違って残業が多いですし、夜の9時10時、時には日付を超えるまで働くことも…
さらには災害時の避難所解説では深夜に開設作業を行うことだってあります。
そんな中で夜間の勤務が難しいと業務に制限がかかるため、面接官つぃても採用しにくくなるんです。
また、薬の副作用で集中力が極端に落ちやすくなっていれば懸念されかねません。
集中力が大きく落ちてミスばかりするようだと上司として仕事を任せることができないからです。
とはいえ、僕も薬の副作用で眠くなることがありましたし、眠気が酷い日にはミスをすることもありました。
しかし、医師から職場に伝えるよう言われるレベルでない限りは面接でもいう必要がないので特に問題にはなりません。
面接官の理解不足
面接官のてんかんへの理解不足がてんかん患者が面接で不利になる最大の原因です。
てんかんは最初に書いたように多くの患者がいて決して珍しい病気ではありません。
また、その人に合った薬を服用し、規則正しい生活をしていれば発作は高い確率で抑えることが可能です。
それにもかかわらず、てんかんというだけで面接で不利になるのは面接官のてんかんへの理解不足が最大の原因。
実際に受験時に自分がてんかんだと言った時は明らかに面接官の態度が変わりました。
公務員や面接官は障害・病気への理解を深めるための研修を受けることはあっても、個々の障害・病気まで詳しく学ぶ機会は自分から学ばない限りはありません。
僕が面接官をした時にもてんかんではないですが、精神障害を患った経験がある方を採点したことはあります。
てんかん患者である僕ですら、やはり知らないものに対しては「この人を採用しても本当に大丈夫だろうか」と考えてしまいました。
それほど自分から学ばない限りは障害や病気をもつ方への理解は進みません。
何より面接官をする公務員は激務なことが多く、なかなか自分から学ぶ時間がないことも原因。
以上がてんかん患者が公務員試験、特に面接で不利な理由です。
しかし、てんかん患者でも受かる方は受かります。
最後にてんかんでも公務員試験に合格するにはどうすればいいかを解説します。
不利だからこそ対策が重要
当然ですが不利なら人以上に対策をするしかありません。
厳しい言い方をしますが、てんかん患者といわゆる健常者が同じレベルなら間違いなく健常者を採用します。
だからこそ、人よりも入念にリサーチや模擬面接など面接対策をする必要があるんです。
そのためには以下にあげる面接対策はしておくべき。
・興味ある分野の現場の職員から話を伺う(直接会うのがお勧めですが、この状況なので電話でも問題なし)
・繰り返し模擬面接を行い面接に慣れる
上にあげた3つは就労支援事業で関わった方で公務員試験に合格した方は必ずやっていて実際に効果を確認した面接対策です。
また元面接官としても「これくらいやっていれば合格できるだろうな」と思える対策でもあります。
それでは一つずつ見ていきましょう!
興味ある分野の現場の職員から話を伺う
「職員から話を聞く」というのは最も効果があるリサーチの方法です。
重要施策や自治体の現状などはホームページを調べれば簡単に分かりますが、それくらい合格レベルの人なら誰でもやっています。
しかし、繰り返しになりますが、人と同じレベルのことをやるだけでは落ちる確率が高いです。
だからこそ、なかなかやる人がいない「興味のある分野や施策に関して直接職員から話を伺う」ことで他の受験生と差別化することが可能。
このやり方については以下の記事で詳しく解説しています。
本来なら直接訪問して職員から話を聞くことで、実際に働いている職員を見ることによるモチベーションアップの効果も狙えるのですが、コロナウイルスが蔓延している状況では控えるべきです。
電話かメールで話を伺うしかありませんが、それでも職員から話を伺ったことには変わりないのでぜひやりましょう!
繰り返し模擬面接を行い面接に慣れる
模擬面接を繰り返し行うのが重要なのはてんかん患者に限った話ではありませんが、健常者以上に深堀されやや厳しめの質問が来ることが予想されるので、可能な限り回数をこなしておくべき。
特に面接は慣れてしまえば、てんかんに関して多少深堀りをされても対応できるようになります。
しかし、1回や2回模擬面接をした程度では、面接における課題が見つかる程度で慣れるまではいきません。
そこでとにかく回数をこなすのが効果的なのですが、ただ闇雲に数だけこなしても効果は小さいです。
確実に合格したいならプロにみてもらい、指導を受けることが重要です。
そこで、オススメなのがやはり公務員予備校の模擬面接を何回も受けること。
ハローワークやジョブカフェでも模擬面接を(無料で)してもらえますが、正直に言ってレベルが高くありません。
以下の記事は面接で合否が決まる自治体(市役所)にオススメの公務員予備校を比較したもので、各予備校の面接対策も解説しているので参考になるかと思います。
またてんかん患者なら以下のサイトのような就労支援事業所でも模擬面接を受けることが可能です。
LITALICOワークス:全国80か所に事業所があり通いやすく、実績が豊富。原則無料。
ラルゴ高田馬場:公務員試験の相談はもちろん民間への就職や転職支援も可能。また20年以上の実績がありますが、同様に関東にしかオフィスがないのが難点。ただし、障害者手帳があれば無料でサービスを受けることが可能。
以上のような就労支援事業所は障害者手帳をもっていれば、無料でサービスを受けることが可能。
また手帳を持っていないてんかんの方でも所得によりますが無料でサービスを受けることができるため、公務員予備校のようにお金をかけて面接対策をするのが難しい方にはオススメです。
さらに公務員を目指していても自分にあった民間企業も紹介してもらえるため、表現は悪いですがもしもの時のための内定を得たり、面接の練習をすることも可能なので、興味のある方はぜひ無料相談だけでも受けてみることをオススメします。
(注)コロナウイルス感染拡大防止のため、対面式の面談を避けるために電話面談に応じてくれる可能性が高いので相談してみましょう。
さいごに すぐに行動しましょう!
繰り返しになりますが、てんかん患者でも公務員試験に合格することはできます。
ただし、そのためには人並み以上に公務員試験、特に面接対策に取り組むことが必要不可欠です。
しかし、一度公務員になっていしまえばてんかんが原因でクビになることもなく、年齢とともに昇給・昇格する将来が待っています。
もちろん世間で言うほど公務員は楽ではありませんが、今回のコロナウイルスで多くの方が職を失う中でも安定しており、今後も大きく給料が上がることは望めませんが、安定した立場は変わらないはずです。
その分、倍率も上がり試験勉強や面接対策は今まで以上に大変になるかと思いますが、やるべきことをやれば結果を出すことは可能です。
どうせやるなら早い方がいいので、まずは資料請求(無料)からでも始めてみましょう!
公務員予備校の比較はこちらの記事から
各予備校の資料請求はコチラからでも可能です。
この記事を読んでくださった皆さんが公務員になれることを願っています。
それでは最後までご覧くださりありがとうございました。