先日、日本経済新聞のある記事が話題になりました
Twitterでもいろんな人が話題にしたので知ってるかもしれませんが、内定辞退に関わる記事です。
マイナーな新聞ならともかく、日経新聞が 『内定辞退の正しい伝え方「直接会って、まず感謝」』というタイトルの記事を出したため、話題になりました。
すでにたくさんの方がコメントを出していますが、元公務員人事で、採用に関わったことがある僕の目線でこの記事や内定辞退の仕方について解説したいと思います。
この記事を読めば、公務員人事の僕が十分だと思う内定辞退の具体的なやり方がわかります。
もくじ
話題の記事「内定辞退の伝え方」
まずは話題になった日本経済新聞の記事を紹介します。
この記事は日経新聞に無料登録すれば、読むことができますが、僕が読んだ感想では読む価値はありません(すみません)
簡単にまとめると、内定辞退の「正しいやり方」は「会って謝ることだ」という主張をしているタイトル通りの記事です。
その理由や、「就活マナー講座」など出てきますが、きれいごとばかりで内定辞退のハードルを上げる企業にとって都合のいい記事でした。
内定辞退して就活生が困ることはある?
内定辞退をして就活生が困ることはありません。
稀に「君が内定辞退したら、君の大学の後輩は取らないよ」といった発言をする企業があるのはたしかですが、内定辞退をした就活生自体は困りません。
「自分のせいで後輩が困ってしまう、どうしよう...」なんて思う必要もありません。
ただの脅しですし、あなたの後輩が優秀だったり、企業が欲しい人材なら取るし、そうでなければ取りません。
人事一人の意向で、「〇〇大学や〇〇学部の人間は今後取らない!」なんて決めれません。
だから安心して内定辞退してください
人事側の気持ち
就活生は気にしなくてもいいですが、一応人事側の気持ちを紹介します。
人事としては内定を出した人に来てほしいんです(当然ですが)
その理由は、まず1人採用するのに、就活サイトへの広告費、適性検査やSPIにかかる費用、面接のために人事コンサルタント(面接官をやることもあり)へのコンサル料などで1人雇うのに100万近くかかります。
さらに役員面接などではお偉い方たちのスケジュール調整もありますし、企業説明会に人を派遣したり、面接に関わる事務作業にとかなり手間がかかります。
それだけ、お金も手間も時間もかけて採用した人には何としてでも来てほしいんです。
さらに内定辞退されることは、面接官が就活生の本気度(第一志望かどうか)を読めてなかったことと同じなので、面接官のプライドが傷つきます(どうでもいいですが)
担当者が自分の会社に誇りを持っていたり、小さな会社で二次面接をする余裕がなく、人手不足の会社からしたら内定辞退は許されないことなんです。
人事の気持ちとしては内定辞退は残念ですが、あなたの人生なので、気を遣う必要はありません。
大事なことなので繰り返しますが、就活生は人事側の気持ちなんて気にせずに、辞退してOKです。
なぜ、あんな記事が出たのか
なぜあのような記事が出てしまったのかは、おそらく以下の理由だと思います(あくまでも僕の想像、妄想です!)
・(経済界の味方である)日経新聞が企業や”就活応援企業”にとって都合のいい記事を書いた?
・日本経済新聞社は内定辞退者を呼びつける習慣がある?
・記事を書いた記者が内定辞退者は会って謝るのが当然と思っている?(ただし、最近週刊誌などで不適切な記事が増えているため、記者だけでなく上司のチェックは入念に入っているはず)
特にいわゆる”就活応援”企業は就活生に何十社も面接を受けるように煽り、誘導して、面接を受けさせて儲けるシステムを作っています。
そのため、就活生にとにかくたくさんの企業を受けさせた方が儲かるのですが、内定辞退が多いと企業が機嫌を損ねます。
なので、「内定辞退をする人間はマナーがなっていない!常識のない人間だ!(自分たちは悪くない)」という風に責任転嫁をさせる役割もこの記事にはあります。
内定辞退は直接会う必要があるのか?
長々と説明してきましたが、これがこの記事で一番伝えたいことです。
内定辞退をする際には直接会って謝る・説明する必要は一切ありません!
内定辞退のやり方
それでは内定辞退のための具体的なやり方を紹介します。
電話でもいいが、メールがベスト
内定辞退の電話をしてもいいですが、そんな電話かけたいですか?
かけたいならあえて止めません。
ただし、電話を受ける側(実際に何度も受けたことがある僕)の意見をお伝えします。
内定辞退の電話しないでください!
なぜなら、22歳前後の「就活生」が明らかに使い慣れていない敬語で、怒られたり、嫌味を言われて傷つくことは嫌なはずなのに、勇気を振り絞って、おそらく人生初めての内定辞退の電話をかけてくるんです
たえられますか?
僕にはクレームか、それ以上に辛かったです。
だから電話を受ける人間がかわいそうなので、メールにしてあげてください!
あと忙しい時期に連絡来ると業務が増えるので、やめてほしいという気持ちもあります。
その点メールなら空き時間に対応できますし、話すよりも短時間で済むので業務的にも楽です。
また、電話だと言った言わないの話になる恐れもないわけではないので、証拠が残るメールがベストです。
信じられない話ですが、落ちた人や友人が内定辞退の電話をしてきてトラブルに発展したケースがあるらしいからです。
具体的なメールの内容
それでは具体的な内定辞退のメールの文章(文面)を紹介します。
僕が一番好きなのはUtsuさんのこのお断り(&お祈り)メールです。
このUtsuさんという方は超優秀なビジネスマンで、年収億越えしたこともある方らしいです。
今はTwitterやYouTubeでも若者の就活アドバイスをしたり、社会人に対してもアドバイスをしてくれています。
僕がこの文面が好きなのは、企業が落とした就活生に対してだす「お祈り」が偉そうで個人的に嫌いだったのですが
このメールでは辞退する就活生が「企業の益々のご発展をお祈り」するんです!
僕は新卒時は就活で民間を受けましたが、二桁の会社にお祈りされたので、いまだに企業が就活生に使うお祈りという言葉は好きではありません。
自分で文面を考えたい人へ
このメールをそのまま使うのが嫌な場合は、以下の要素を入れたメールにすればOKです。
・採用面接で時間を取ってもらったことへの感謝
・内定辞退したい旨(理由はなくてもいいです)
・せっかく内定出してくれたことへの謝罪
・相手先の今後のご活躍をお祈りする(なくてもいいです)
内定辞退のタイミング
最後に内定辞退のタイミングですが、辞退すると決めたらすぐにメールを送ってください。
なぜなら、あなたが辞退する会社が第一志望の就活生もいますし、その人はあなたが辞退すれば繰り上げで受かる可能性も0ではありません。
さらに会社・人事としては必要な人数の募集をかけて、その人数分内定を出しているので、辞退者が出たら不足分を補う必要があります。
そのため、追加募集をしたり、落とした人に連絡をしたりしないといけません。
でも、内定辞退の連絡が遅くなればなるほど、就活生の内定先が決まり、企業も余裕がなくなります。
だから、内定辞退は可能な限り早い方がいいんです。
もしも呼び出されたら
メールで連絡して、「メールで連絡とは何事だ、直接謝りに来い」と仮に言われたとします。
SNSが盛んなこのご時世にそんなことすれば、拡散されておしまいなので、まずないと思いますが
その場合も、会いに行く必要はありませんし、辞退したあなたの判断は正しかったと胸をはってください。
そしてあまりにもしつこければ、「しかるべきところに相談に行きますよ?」と言えば(返信すれば)引かざるを得ませんし、無視してもあなたが訴えられることはありません。
まとめ
・内定辞退はメールで十分
・人事としては業務的にも、精神的にも、そしてトラブル回避のためにもメールで内定辞退してほしい
・直接会えと言っているのは、内定辞退のハードルをあげるため?
・内定辞退は早めにすべし!
これで、内定辞退のハードルが下がったと思います。
あなたが辞退する会社に本当に行きたい人や人事の人のために、辞退することが決まったらすぐにメールを送りましょう!
読んでくださりありがとうございました。