地方公務員で忙しい部署、忙しくない部署を教えてほしい
という方にオススメの記事です。
同じ地方公務員、そして同じ自治体の中でも忙しい部署とそこまで忙しくない部署があります。
自分が働きたい部署、配属予定の部署、そして今自分が配属されている部署が他の部署と比べてどれくらい忙しいのか気になる方も多いですよね。
またどこの部署が忙しいか分からずに異動希望を出してしまうと、大変な目に合ってしまう恐れもあります。
そこでこの記事では筆者の経験や情報から残業時間を元にして
地方公務員(特に政令市)で忙しい部署ランキング(3段階に分類)
を紹介します。
筆者は政令市に勤務した中で4つの部署を経験し、そのうち2年間は人事異動を担当したため様々な部署の実情を把握しており、この記事の信頼性の担保になるかと思います。
もくじ
過労死するレベルの部署
まず一番忙しいグループは過労死レベルの残業がある部署です。
ちなみに過労死レベルの残業は
月80時間以上、もしくは繁忙期に月100時間以上の残業
とします。
このグループに属するのは以下の部署です。
・財政
・企画(政策企画)
・人事
・保健福祉
上記の部署はどこの自治体でも忙しいですし、残業時間も過労死レベルの月80時間を超え、繁忙期には月100時間を超えることもあります。
もちろん、自治体によって違いはあるので常に月80時間以上の残業があるわけではないですが、僕の場合2年間:24か月人事(人事異動担当)にいた中で22か月は80時間オーバーでした。
当然ながら体調を崩したり、休職する職員もいました。
しかし、残業代はしっかりつく上にボーナス査定(自治体によって人事評価がボーナスに反映されます。反映と言っても数万円程度)も常に高評価でした。
そのため、一般的な政令市職員よりも給料はかなりよくなります(月の基本給20万の職員でも月約10万円、年間では約150万円の残業代支給)
政令市職員の給料はコチラの記事にまとめてあるので、よければご覧ください。
ちなみに上記の4部署のうち特に財政・企画・人事は出世コースの筆頭格で、部局長クラスの職員は確実にこの3つのどこかの出身者です。
(時には3つ全て経験した方もいたりします)
以上の4部署は超激務ですし、自分で希望して配属されることはまずありません。
ですが、一度配属されたら自治体から高く評価されているなと思っても問題ない上に出世が期待できます。
一方で保健福祉系の部署は住民対応が多いため、クレーム対応にあたる機会も他の3部署に比べて多いため、残業時間だけでなく精神的な負担も多い部署です。
また、保健福祉系の部署は法改正が多くその度に繁忙期に突入するため、年に数回繁忙期が訪れる場合も。
しかし、自治体によっては 財政・企画・人事 と並ぶ出世コースの部署です。
やや忙しい部署
過労死レベルではないですが、まあまあ忙しい部署は以下の部署です。
ここに属する部署は多いので詰めて書くので見にくかったらすみません。
人事委員会・観光・都市計画・商工・防災・農林・土木・廃棄物処理・各部局の経理・監査・産業振興・消費生活・住宅・環境衛生・上下水道管理・秘書・情報システム・公民館・図書館・病院・大学など
まだほかにも多くの部署が該当するので、随時追加していきます。
市役所の大半の部署はここに属しますが、このグループの部署の特徴としては、月の残業時間が20~40時間程度、つまり1日の残業時間が1~2時間の部署です。
しかし、毎日残業と言うわけではなく忙しくない時期なら定時帰りや30分程度の残業で帰宅が可能。
適度に忙しいため、残業も有給もそこそこなので、金銭的にも体力的にも、そして精神的にもちょうどいい、一番オススメできる部署です。
僕も過労死レベルの人事(人事異動)から人事委員会に移った時は、残業代が大幅に減ったため給料は減りましたがプライベートの時間が激増して感動した経験があります(笑)
しかし、部署ごとに忙しい時期があるのでその時期は夜遅くまで働いたり、時には職場に泊まることも。
また、「防災・農林・土木」や「上下水道管理・廃棄物処理」は一度災害が起きてしまうと過労死グループの仲間入りは確実です。
実際、西日本豪雨の際には自治体職員の多くが避難所運営にあたり全体的に残業・休日出勤が増えたそうですが、特に上記の5部署は1か月家に帰れなかったという話をざらに聞きます。
ほぼ定時帰り可能な部署
最後に定時帰りできることが多い部署を紹介します。
このグループに属するのは以下の部署
出先機関(例外あり)・自治体の支所(出張所)・スポーツ推進・広報・生涯学習・統計・会計・公園緑地・美術館・資料館・青少年会館・議会事務局
2番目の「やや忙しい部署」は週に2.3日定時帰りが可能ですが、このグループはほぼ毎日定時帰りが可能。
世間が持っている「定時帰りの公務員」は上記の部署の公務員のことです。
定時帰りは可能で休日出勤も少ないですが、その分残業代は期待できません。
そのため上記の部署の20代公務員が結婚&出産となると、生活がやや苦しくなると聞いたことがあります。
しかし残業のし過ぎで金銭的に余裕があり、むしろ体力的・精神的にキツイ「過労死するレベルの部署」の職員にはこの定時帰りできる部署は天国なので、異動願を出す人が多いです。
ただし、一度出世コースに乗ってしまい評価が高い職員は一度逃れても次の異動で「過労死するレベルの部署」や「やや忙しい部署」に配属されることも....
ちなみに、この「ほぼ定時帰り可能な部署」と最初に紹介した「過労死するレベルの部署」に属さない大半の部署は「やや忙しい部署」に入ると考えてください。
つまりほとんどの部署は残業時間と休み(プライベート)がちょうどいいバランスで保たれていて、一部例外な部署があるという認識で問題ありません。
過労死レベルの部署に配属されない方法
では最後に過労死レベルに忙しい部署に配属されない方法を紹介します。
「とにかく仕事がしたい」「出世したい」という方には関係ないですが、「プライベートと仕事を両立させたい」方には参考になるはずです。
まず過労死レベルの激務な部署に配属される人は新人を除いて自治体から期待されている人です。
公務員では評価が高い職員が激務な部署に配属される傾向があり、仮に激務な部署でも人並みに仕事ができると出世コースに乗れますが、そうなると激務コースから逃げられなくなります。
そのため、「絶対に激務な部署に配属されたくない!」「激務な部署から逃げたい!」と言う方は自治体に期待されないように「人並みに仕事をしない」もしくは「休職する」方法があります。
休職するのは嫌だったり、雑な仕事はしたくなければ「人よりも仕事に時間がかかってしまい、周りのペースを崩す職員」を振舞うことをオススメします。
そうすると出世コースからは外れるかもしれませんが、プライベートの時間を失ったり、過労で体調を崩すリスクから逃れることが可能。
具体例
それでは実際に過労死レベルの部署から逃げることに成功した例を紹介します。
例①
僕が人事にいた時に結婚した先輩は結婚してから、周りに大きな迷惑をかけない程度のミスが増やしたり、(わざと)仕事をこなすのを遅くして激務の人事から「やや忙しい部署」である商工に異動されていました。
その次の異動でも「やや忙しい部署」の観光に配属されたと伺ったので、一度大きく評価を下げることは激務の部署から逃げるのに有効です。
例②
僕の実際の経験なのですが、結婚後奥さんと夕飯を一緒に食べる時間が欲しかったので、上記の先輩の真似をして仕事をするペースを極端に落としました。急に仕事のペースを変えたことで、上司からは体調不良も心配されたのでチャンスだと思い異動願を出したおかげか、「やや忙しい部署」の人事委員会に異動になりました。
さいごに
以上が地方公務員(政令市)の「激務な部署ランキング」でした。
政令市だけでなく、市区町村も似た感じになるかと思います。
しかし、これが県庁になると国と市区町村の橋渡し的な役割が出てくるので、このランキングが当てはまらない場合もあります。
また、自治体によって力を入れている分野が異なるため、自治体が特に力を入れている部署は激務になる可能性も。
具体的には
観光振興重視なら観光課やイベント関連の部署
若者の移住・定住重視なら都市計画や教育関連の部署
企業の誘致や起業の促進なら商工や産業振興関連の部署
などの部署です。
激務の部署でもそうでない部署でもやりがいは必ずあるので、自分のやりたいことや出世を取るかプライベートの充実を取るかなど考えておくことは重要だと思います。
仮に出世コースに乗っても体調を崩してしまってはもったいないので、自分の体調を大事にしながら働くことは大切です。
それでは最後までご覧くださりありがとうございました。
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