公務員試験の氷河期世代採用試験に合格するにはどうすればいいの?
という方にオススメの記事です。
国の施策としていわゆる氷河期世代の方向けの採用枠が設けられました。
受験対象や試験内容を知りたい方は、以下の記事で氷河期世代採用枠の概要を解説しているのでご覧ください。
⇒公務員試験の氷河期世代採用を解説
この記事では今年度(令和2年度)実施された県庁の氷河期世代向け試験に合格された方へのインタビューを元に、合格までにやるべきことを紹介します。
この記事を読めば
・公務員試験の氷河期世代採用枠に合格するためにやるべきこと
が分かります。
ちなみにこの記事の筆者は政令市(政令指定都市)に約10年間勤務し、採用面接に関わった経験があります(一次面接や集団討論の面接官経験あり)
加えて、今年度は氷河期世代枠を受験する方のサポートをさせていただき、今回インタビューさせていただいた方を含めて、合格のご報告もいただいており、この記事の信頼性の担保になるかと思います。
合格者の紹介
まずは今回インタビューさせていただいた方(Kさん)のご経歴を許可をいただいた範囲で紹介させていただきます。
Kさんの経歴
・40代後半 男性 大卒
・新卒時は書類選考を含めて約100社受けるものの不採用
・コンビニやスーパーなど複数のアルバイト・派遣を経験
・公務員試験は初挑戦
・地元の県庁、市役所の2自治体の公務員試験(氷河期世代採用)を受験し、県庁に合格
では次に氷河期世代採用試験に合格するためにKさんが取り組まれたことを紹介していただきます。
合格するために取り組んだこと
Kさん
私が公務員試験に向けて取り組んだことはざっくり
6つあります。
就活用のサイトとかみて書いてあったことをまねただけではあるのですが
Kさんが合格のために取り組んだこと
①公務員試験の情報集め
②受験先のリサーチ
③自己分析
④エントリーシートの準備
⑤筆記対策
⑥面接対策
ありがとうございます。
では、ひとつずつ詳しく教えてください。
①公務員試験の情報集め
Kさん
はい。まず、1つ目の
情報集めですが、公務員試験を受けるのが初めてだったので、情報集めから始めました。
受験資格はあるのかとか準備するものって何だろうってレベルで心配だったので、一から全て書いてあるものを探しました。
公務員予備校のサイトとか見ていました。けっこう分かりやすく書いてあったので参考になりました。
資格とか準備するものは、どこ受けるかによって変わるけど基本的は特に必要ないと分かったのはありがたかったです。
たしかに公務員予備校は初めて公務員試験を受ける方向けにかなりわかりやすく解説してくれてますよね。
しかも、分かりにくかったり、事実と違うことを書いてしまうと人が集まらないので気合入れて作ってますし、予備校に行く気がなくても情報収集にはオススメです。
Kさん
あとは、紹介していただいた
ハンドブックも役に立ちました。
特に社会人を経験した合格者のインタビューは時間の作り方とか参考になりました。
そうですね。新卒以外で公務員試験を受ける方には必ずオススメしています。
公務員試験の基本情報から合格者へのインタビューまで載っていて、しかも無料なのでオススメです。
公務員予備校が作っているので情報の信頼性もありますし。
Kさんにオススメした無料のハンドブックについて気になる方はコチラから。
⇒公務員になりたい社会人必読!無料の公務員転職ハンドブック
②受験先のリサーチ
Kさん
はい。私は親が高齢なこともあり、地元から離れたくなかったので、近くの市や県の
ホームページから探しました。
その中から試験内容や日付を見て、地元の県庁と市役所を選びました。
どんな人材が欲しいかとか、現役職員のインタビューとかが採用情報のページに載っていたのでそれにも目を通しました。
Kさん
受験先を決める以外では特に調べていませんでした。
採用ページに載っていた「欲しい人物像」とかを参考にすればいいかな程度にしか考えていなかったですね。
受験先を決めるだけならそれでも問題ないですが、面接のことまで考えると厳しい言い方になりますが全然調べ切れていない感じでしたよね。
でも、Kさんだけじゃなく、受験先の重要施策を伺っても「まだ調べていません」とおっしゃる方って結構多いです。
ですが、面接やエントリーシートまで考えたリサーチとなると、調べておかないと危険です。
Kさん
そうですね。エントリーシートには施策を聞く質問がなかったので、面接直前に調べればいいかなと思っていました。
「やりたい仕事」も特になかったので、面接対策本に書いてあるようなどこの自治体でもやってそうなことを書けばいいかなって
やりたい仕事があって公務員になる方の方が珍しいので、仕方がないですが、「どこの自治体でもやってそうなこと」はリスクがあります。
面接官に「この人公務員ならどこでもいいんだな」って思われるからです。
自治体のリサーチで調べた方がいいことや調べ方は他の記事で紹介していますので、気になる方はそちらをご覧ください(数分で読めます)
③自己分析
それでは自己分析について伺いますが、なぜ自己分析をやろうと思ったんですか?
Kさん
最初に調べたサイトの中に自己分析をしてアピールできる自分の強みを把握しようって書いてあったからです。
でもやり方がわからなかったので、ググってでてきたストレングスファインダーって本を使ってやりました。
自己分析ができるサイトもあったんですが、大学生向けって書いてあるものが多かったので、結局さっき言った本を選んだって感じです。
ストレングスファインダーはかなり細かい自己分析ができる上に、自分に向いている職業や、同じタイプの有名人まで載っているので一度やってみるのもおもしろいと思います。
ただ、自己分析の結果の中には「運命思考」とか「アレンジ」とかアピールしづらい(伝わりにくい)ものがあるのが難点です。
そこで、公務員試験で行われる適性検査に似たものを紹介させてもらいましたよね。
Kさん
はい。エントリーシートの添削をお願いしたついでにダメもとで自己分析の相談もしたら教えていただけたので助かりました。
自分の強みが分かりましたし、公務員試験の適性検査の結果ってこんな感じなんだということも分かったのはよかったかなと思います。
Kさんに紹介した質問に答えるだけで自己分析が簡単にできるサイトはコチラの記事から。
⇒自己分析が簡単にできる!オススメの適性診断を紹介
また気になる方のためにこちらもどうぞ
トム・ラス/古屋 博子 日本経済新聞出版社 2017年04月14日頃
④エントリーシートの準備
Kさん
はい。エントリーシートはアルバイトの面接で簡単な履歴書を書くことはあったんですけど、ちゃんとしたものは、新卒の時以来で、書き方が全く分からないという状態でした。それで色々と探してたら、ryoutaさんのブログ見つけてお願いした感じです。締め切りまで2週間ない状態だったのに、対応してもらえたのは助かりました。
ココナラというサイトで添削のサービスをさせていただいていますが、添削や面接のサービスしか考えていなかったので、書き方はブログの記事を紹介して終わってしまったので申し訳ありませんでした。でも最初に添削させていただいた時点でかなりレベルが高かったイメージはありました。
Kさん
最初は他のサイトに合った例文をほぼ丸パクリしてたんですが、それだと落ちると書いてあって慌てて治しました。私には自慢できるスキルや経験がなかったので、派手さはいらないという記事を読んで安心しました。それに、コンビニのアルバイトのエピソードでも十分いい自己PRが書けると分かって励まされました。
そう言ってもらえると書いてよかったなと思います。自分も新卒ですぐに仕事辞めてアルバイト生活が長ったんですが、それでもどうにかなったので。よくある面接本やサイトにはリーダーシップがあったり、結果を出してたりと「派手な」経歴をアピールしている回答例が多いですが、派手さは必要ないです。それよりも普段の仕事の中でのちょっとした工夫や日々の積み重ねの方が、再現性が高いので面接官には好かれます。
エントリーシートの書き方をまとめた記事はコチラから(自己PR、長所短所、志望動機などの書き方を解説しています)
⇒氷河期世代採用のためのES・面接カードの書き方を解説
⑤筆記対策
Kさん
はい。最初の募集要項では教養試験と作文試験の予定だったので、その準備をしていました。教養試験の簡易度は高卒程度とあったので、評価が高かった過去問350をひたすら解いていました。大学入試以来の勉強で苦戦しましたが、解説が分かりやすかったのでなんとかなりました。
また、作文もAmazonで評価が高かった本を買って練習していました。
過去問シリーズも、落とされない小論文もどちらも王道というか手堅い本ですね。その2冊をやりこんだんでしょうか?
Kさん
はい。でもコロナのせいで筆記試験が作文を書いて送るだけに変更になったので、教養の勉強が無駄になってしまいました。どこまでやりこめばいいのか心配だったので良かった気もしますが、時間が無駄になった気はしましたね。
コロナの影響で筆記試験を縮小したり、オンライン形式にしたりと各自治体で工夫はしていましたが、頑張って勉強されている側とするとなんだそれってなりますよね。今年度は急な変更だったかもしれませんが、来年度以降受験される方は変更になる可能性も考えて準備しないといけませんね。
資格試験研究会 実務教育出版 2020年04月10日頃
今道 琢也 ダイヤモンド社 2018年02月09日頃
⑥面接対策
最後に面接対策について伺います。面接対策でこれはやってよかったというものはありますか?
Kさん
2回模擬面接をお願いしたのはやってよかったと思います。模擬面接と同じような質問を本番でもされましたし、正直なところ模擬面接の方が厳しく追及されたので、本番で「なんで?」とか「もっと詳しく」と言われても答えることができたと思います。あと面接官の中にはかなり年配だったり、強面な方もいましたが、模擬面接のときに
最終面接に出てくるような人は普段は優しいおじさんおばさんと言われていたので、バイト先の孫自慢をしてくる店長と重ねたおかげで、緊張が少しだけ和らぎました。
あと、面接室の前まで案内してくれた職員の方に「最近コロナで忙しいですか?」とか職場の雰囲気とかきになることを聞いて、リラックスできたのは大きかったですね、ずっと黙ってたらもっと緊張していたと思います。
少しでもお役に立てたのなら何よりです。他にやってよかったことってありますか?
Kさん
はい。模擬面接はオンラインだったので、本番の雰囲気というか、面接ならではの緊張感を体験したいという気はありました。それにアルバイトはともかく、就職の面接に合格した経験がないので、合格するレベルの面接がどんなものなのか知りたいというのもありましたね。だから、Twitterで気になったいた黒田さんという方の面接講座(面接合格フルパック講座)を買って、合格者の面接再現を何度も見ていました。あとはZOOM面接も1回ついていたり、最終面接官経験者が受験生のどこを評価するのかを解説した動画もあったので、役に立ちました。
黒田さんの本は今回自分も買ってみたんですが、内容濃過ぎて驚きました。回数無制限の添削、模擬面接、合格者の再現面接に加えて、最終面接官の評価軸とか、公務員予備校でも教えてもらえないですからね。内容ありすぎて重いですけど、時間がある方は絶対やるべきだと思います。正直これに比べたら僕のサービスとか相手にならないですもん。
Kさん
でもryoutaさんが模擬面接とそのフィードバックを2時間やってくださったのは、ためになりました。
フォローありがとうございます。。。少しでもお役に立てるように今後も精進します。
面接合格フルパック講座2021
さいごに
今日は貴重なお話をありがとうございました。最後に今後、氷河期世代採用枠を受験される方に何かあればお願いします。
Kさん
はい。正直な話、今回合格が決まるまでは将来の不安だったり、気に入らないことばかりでTwitterとかYahoo!ニュースのコメント欄に文句ばかり書いていました。今回正直最後のチャンスだってくらいの気持ちで公務員試験を受けたんですけど、倍率がすごく高かったり、今まで面接で合格した経験がないこともあって、寝れない日もありました。合格が分かった後も合格したことが信じられなくて。でも今は春からの新生活に向けて前向きな気持ちになってます。すみません、全然アドバイスになってないですね。
Kさん
国が氷河期世代の採用を増やすって言ってましたけど、コロナ禍で新卒の採用すら減ってる中で民間は難しいと思います。 公務員試験も倍率は高いですけど、一度も正社員として働いたことがないし、スキルとか資格もない私でも合格できたので、やるべきことをしっかりやれば誰にでもチャンスはあるんじゃないかなと思います。働きながらで大変かもしれませんが、半年頑張っただけで合格できたので、半年で残りの人生変わるならやらない手はないんじゃないかと思います。何をどうやればいいかはいろんな本やサイトもあるし、公務員予備校だってあるので、やってみながら自分に合うものを選べばいいと思います。本当にやってみないと分からないんだなって感じました。
ありがとうございます。おっしゃる通りで今はいろんな情報や選択肢があって、やり方はひとそれぞれだと思いますけど、やってみないと何も起こりませんもんね。偶然氷河期世代だったというご本人にはどうしようもない理由で不公平な経験をされたわけですが、その経験はきっと公務員として困っている方を支える際に役立てることができるはずです。さらなるご活躍を心から願っております。今日は貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。
Kさん
この記事に書ききれなかったKさんが取り組まれた対策やスケジュールについては後日公開予定です。
興味のある方はぜひご覧ください。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
公務員試験突破を目指す方には以下の記事が特にオススメです。