自治体のHP(ホームページ)見たら、臨時職員の募集あったけど 臨時職員ってどうやったらなれるの?
臨時職員になると、公務員試験って受かりやすくなるの?
といった疑問に答えます。
この記事を読めば
・臨時職員ってそもそも何?
・臨時職員になる方法
・臨時職員試験の難易度
・臨時職員は公務員試験に有利なのか?
・受験先と違う自治体で臨時職員をするとどうなるのか?
が分かります。
もくじ
臨時職員ってそもそも何なのか?
臨時職員には任期がある
臨時職員というのは、地方公務員の中でも非正規雇用の職員のことです(正式には「臨時的任用職員」といいます)
覚える必要ありませんが一応。
地方公務員の臨時職員は原則半年しか雇用できませんが、1回だけさらに半年間更新できます。
つまり、ルール通りだと1年間しか任期がありません。
でも実際は、1年経っても1日や数日の期間を空けて再雇用するという自治体が大半です。
臨時職員の仕事内容
臨時職員は雑務や事務作業など正規職員のサポートが中心です。
そのため、正規職員のように人事や予算の決定に関わるなど複雑な仕事をすることは稀です。
ただし、自治体によっては窓口、つまりは住民対応をする自治体もあります。
ですが、基本的には雑務がメインの仕事内容だと考えた方がいいです。
臨時職員のなり方
臨時職員になるには、自治体が不定期で募集を出しているので、自治体のホームページを確認しましょう。
また、ハローワークにも掲載される場合があります。
その募集にある方法に応じて申し込みをすれば大丈夫です。
臨時職員試験の難易度
臨時職員の試験は正規職員のような学力を問う問題はほぼなく、簡単な計算(事務処理試験)や作文が実施されることが大半。
面接も厳しい質問が来ることは珍しく、「いつから働けるか?」「こんな仕事をしてもらうけど大丈夫?」といった、採用すること前提の面接なので対策は不要です。
面接で明らかに情緒不安定だったり、「この人を職場に置きたくない」と判断されない限り不合格になることはまずありません。
なり方や試験の難易度を解説したので、次は本題の臨時職員と公務員試験の受かりやすさについて解説します。
臨時職員になると面接は有利になる?
結論からいうと、メリットもありますが、不合格になる可能性が高くなる場合が意外と多いです。
その理由を含め、メリットやデメリットを紹介します。
メリット
最大のメリットは自治体の中の情報を知ることができます。
そのため、その自治体がどんな問題を抱えているかを現場の人間として知ることができます。
これは面接で「自治体が抱える課題」や「今度取り組むべきこと」を聞かれた際に、臨時職員ではない人とはレベルが違うより現実的な回答をすることができます。
さらに、面接には人事だけでなく各部署の部長級職員が出てくる場合もあります。
そんな時に普段の仕事への取り組み方や人柄を知っていれば、安心して採用できるため、加点される可能性もあります。
デメリット① ポテンシャルがばれる
一方でデメリットとしては、臨時職員をしながら公務員を目指す方は「社会人経験枠」ではなく、いわゆる「一般枠」の採用を受けるはずです。
この「一般枠」の採用は基本的に「ポテンシャル採用」です。
つまり、その人が「どれだけの実績を残してきたか、仕事をしてきたか」よりも「今後、どんなことをしてくれそうか、どれくらい成長して自治体に貢献しそうか」を重視します。
さらに人は「無意識にこれまでの実績よりもこれからのポテンシャルを重視する傾向がある」ということが、スタンフォード大学やハーバード・ビジネススクールの研究で明らかになっています。
これらのことから、すでに「だいたいこのくらいのレベルの職員ね」と実力が分かっている臨時職員は、実際は使えるかどうかも分からないのにポテンシャルに期待がもてる未知数の人に比べて不利になるんです。
もちろん実際に働いて十分な能力があると判断されていれば、臨時職員でも合格はしますが、ネットやSNSで「臨時職員は不利」という言葉をよく見かけるのは、上記のような理由があるからです。
デメリット② 勉強時間がない
さらには臨時職員でも任された仕事が終わらないと当然帰れません。
そして、公務員というのは世間が思っている以上にハードな仕事です。
その仕事をこなしていると、公務員試験のための勉強時間が確保できず筆記試験を突破できないという方が僕が働いていた政令市にいました。
その方は3年連続で筆記に落ちましたが、筆記が通った年に、最終面接も突破して無事公務員になりました。
ですが、「勉強時間をもっととれていればもっと早くにねれてたかもな~」と言っていました。
すでに紹介したデメリットがあっても受かるレベルの人でも筆記で足切りされてはどうしようもないんです。
デメリット③ 臨時職員を辞めるのはリスク
勉強時間が取れないだけでなく、個人的な理由であっても、臨時職員を辞めてしまうのはリスクになる可能性があります。
なぜなら、面接官によっては
「この人は臨時として配属された部署が合わなかったからやめたのでは?」
「配属された部署で人間関係が上手ういかなかったのでは?」
などと疑うため。
実際に「違う自治体で臨時職員をやったことがある」という方に対して↑のような質問をした面接官を見たことがあります。
その方は正直に「勉強時間を確保するため」と答えていましたが、政令市や県、国など専門科目の勉強が必須な自治体を受けるならこの理由は通ります。
しかし、教養のみやSPIタイプの試験を実施し、筆記のレベルが高くない自治体でこれを言っても通用しません。
逆に「その程度の地頭もないのか...」と判断されます。
いくら人物重視の傾向が強いとはいっても、雇った後に必要な知識(法律など)を身に着けることができる最低限の頭の良さは欲しいと面接官は考えます。
それだけだなく
「うちの自治体の試験なら勉強時間あまり必要ないし、第一志望は他のところだな」とか
「言えない理由(上述した合わなかったという理由)があってごまかしてるな」
と思われてもおかしくありません。
受験先と違う自治体の場合
受験先と違う自治体で臨時職員をしていた場合は
「なんでうちの自治体でやらなかったの?」
「本当はそこが第一志望なんでしょ?」と聞かれるでしょう。
その時は「自分が働き始める時には〇〇(受験先)は募集がなかった」
「将来的に〇〇で働きたいと思っていたが、勉強時間を確保したいため家から近い△△(臨時職員していた自治体)で働いていた」
などと答えるのをオススメします。
また、勉強時間以外にも
「親の体調が悪く看病しながら働くには近くの自治体が良かったため」とか
「ひとり親家庭で、さらに兄弟姉妹がまだ小さく、その面倒も見る必要があったので、近くの(以下同分)」
などとプライベートな答えも説得力抜群です。
他の自治体で働いた理由さえ納得してもらえれば、どれくらいのレベルの職員課わからないので、ポテンシャルをアピールできる上に、公務員として現場レベルの意見も出せるので、かなり有利になります。
まとめ
・臨時職員になるには、自治体のホームページやハローワークを確認して申し込む(面接や試験は簡単)
・臨時職員になれば「現場レベルの意見を言うことができる」メリットがある
・一方で「ポテンシャル採用である一般枠では不利」「公務員試験のための勉強時間が確保できない」「臨時職員を辞めてしまうのはリスク」などのデメリットもある
・受験先と違う自治体で臨時職員をしていた場合は、理由さえ納得させればメリットが大きい
臨時職員はメリットはあるものの、デメリットもかなりありますよね。
ですが、これを言ってはおしまいな感はありますが、臨時職員でもしっかり対策をして面接に挑めば受かります。
また、能力やコミュニケーションに自信がある方も臨時職員になれば、アピールのチャンスが広がり有利なのでオススメです。
それでは最後までご覧くださりありがとうございました。