公務員予備校のメリットやデメリットを教えてほしい
という方にオススメの記事です。
公務員を目指す方なら公務員予備校に通うべきかどうか一度は悩むかと思います。
しかし、予備校のサイトを見てもいいことしか書いてないので信用していいか微妙ですよね。
そこでこの記事では
・公務員予備校のメリット・デメリット
・公務員予備校に通えば公務員になれるのか
を解説します。
ちなみに、この記事の筆者は公務員予備校に通った経験があります。
また、公務員を辞めた現在も公務員を目指す方のサポート(平成31年度=令和元年度は21人)をする中で、多くの公務員を目指す方から公務員予備校に通った感想を伺っており、この記事の信頼性の担保になるかと思います
もくじ
予備校のメリット
まずは予備校に通うメリットを解説します。
勉強する環境が整う
公務員試験の勉強の基本は過去問をひたすら繰り返す解くこと。これは予備校も独学も変わりません。
この過去問を解く作業はつまらないです。
受験先にもよりますが公務員試験の筆記試験を突破するのに専門科目がある場合は1500時間、専門科目がない場合でも約1000時間勉強する必要があると言われています。
勉強期間を仮に1年とすると、専門科目ありで1日4時間、専門科目なしでも1日3時間勉強する計算。
しかも試験直前期は1日10時間近く勉強する人もざらにいる世界。(バイト等せずに公務員浪人している人だと10時間以上勉強する人もいます)
普段から勉強する習慣や大学受験で長時間勉強した経験がない人には、いきなり毎日何時間も勉強するのは正直きついですよね。
それに大学受験の時に勉強した経験があっても無理な人の方が多いです。
最初は勉強を継続できる方は結構いますが、ちょっとした用事で勉強するのを辞めてしまうと集中力が切れて勉強できなくなる方が多いのが現実。
そんな中公務員予備校に通っていれば、無理にでも勉強せざるを得なくなります。
大学でがっつり遊んでいた方も高校時代は朝9時から夕方3時4時まで授業を受けていたと思うので、1日最低でも4~5時間は勉強してましたよね?
あれができたのは学校と言う「勉強をする場所」に行っていたのが大きい理由かなと思います。
(僕もそうでしたが、あまり真面目に授業受けてなかった人も多いかもしれません。でも、多くの人は授業という形で勉強してるはず)
それと同じで授業に出れば勉強せざるを得ないですし、自習室に行けばいつも勉強している人がいて、自分もやらないとヤバいと思えます。
また、担任制のある予備校なら何日か顔を出さなかったりすると電話をかけてちゃんとやっているか確認してくれることも。
進んでないと喝を入れてくれるのでやらざるを得なくなります。
(僕は民間企業を辞めた後、アルバイトをしながら予備校に通っていました。録画した講義を見る形式ということもあり、たまにしか予備校に顔を出さなかったですが、進捗状況を毎週報告させられてたおかげでサボれず筆記を突破できました(笑))
このように一人で勉強するのが難しいという方でも予備校に通えば無理にでも勉強する習慣・環境を整えてくれます。
効率的に勉強できる
先ほども書きましたが公務員試験の勉強は予備校も独学もどちらにしろ過去問を繰り返し解くだけという点は同じ。
しかし、教養科目の6割近くを占める数的処理や専門科目は独学だと効率が悪い時があります。
数的処理はいい参考書が多く、基本的な内容なら参考書で十分対応可能ですが予備校なら参考書にはない効率的な解き方を教えてくれます。
時間との勝負である公務員試験において、効率的な解き方を知っているかどうかは大きな差を生みます。
また専門科目は過去問の解説や参考書を読んでも分からないことが多いです。
そこで分からないところを聞くことができる公務員予備校はとても役に立つんです。
教室に通学するコースはもちろん、通学しないコースでもWebフォローというWebで質問できる予備校があるので、わからないことがあっても気軽に聞けてすぐに解決できます。
このように効率的な解き方を学べたり、分からないことをすぐに解決できる点は予備校の大きなメリットです。
勉強方針がぶれない
独学で勉強していると上手くいっているときはいいですが、挫折する(挫折しかけたり)時が誰にでもあります。
そんな時にTwitterやサイトで自分がやっている教材以外がオススメされているのを見ると、ついその教材のも手を出してしまいたくなります。
しかし、そんな「浮気」のようなことをしている人はまず合格しません。
公務員試験の筆記試験を突破する方の特徴は同じ問題集をひたすら繰り返しています。
参考書を変えると同じ問題でも解き方が微妙に変わることもあり、今まで解けていた問題の解説内容も変わって混乱することも。
そもそも勉強せずに勉強方法を探すこと自体が無駄(※) ですが 、勉強方法を変えることで無駄に混乱したり、変な解き方が身についてしまう恐れがあります。
※自分にあう勉強方法を探すことは悪いことではありませんが、勉強方法を探しても成績は伸びません。
しかし、予備校に通っていれば同じテキスト、同じ講師の元で勉強することができる(むしろそれ以外の選択肢がない)ので無駄に悩む必要がなく、ブレることもありません。
面接の練習ができる
公務員試験を突破するには面接対策が必要不可欠です。
特に最近の公務員試験は面接の配点が高く、面接で合否が決まると言っても過言ではありません。
独学でも面接対策の本やサイトである程度知識をつけることはできますが、いくら知識をつけても実践できないと意味はないです。
また、ハローワークやジョブカフェで無料で面接の練習ができますが、適切なアドバイスがもらえないことがほとんど。
そのため、公務員試験のための面接を指導を通して、どうすれば合格できるか知っている人に指導してもらえることは公務員予備校に通う大きなメリットなんです。
最新の情報が手に入る
公務員試験では最新情報を常にチェックすることは重要。
例えば平成30年度からC日程の筆記試験の内容が大幅に変わりました。
どう変わったのかはコチラで解説しています。
また同じ自治体でも年度によって募集要項、特に募集人員を大きく変えたり、年齢制限を変えることがあります。
また特別枠日程の試験をその年限定で行ったり、実施時期を変更する場合も。
(例:現在神奈川県庁が行っている「秋季チャレンジ」は数年前までは「早期チャレンジ」と言う形で4月に試験をしていました。それが現在の10月に変更になったことがあります)
このような最新の情報は独学だと全て自分で集めなくてはいけませんが予備校に通っていれば必要な情報を適宜教えてくれます。
【最重要】過去問が手に入る
公務員予備校に通うメリットの中で僕が最も重要だと思うのは過去問が手に入ること。
筆記試験の過去問なら去年度の分は自治体のホームページで入手できることもありますが、予備校なら過去5年分など数年分の過去問と解説がもらえます。
数年分の過去問を見れば、頻出分野も分かるため集中して勉強すべき分野も分かるのはメリットです。
それ以上に、大手予備校は過去の面接の質問内容、プレゼンテーションや集団討論などのテーマを「受験者(合格者)からの報告」という形で蓄積しています。
公務員試験の面接における質問内容は例年似ていることが多いので、過去の質問内容を知っているかどうかは合否に直結すると言っても過言ではありません。
なぜなら自治体の欲しい人材像・人物像はすぐには変わりませんし、欲しい人材を見極めるために質問を決めているため、質問内容も似通ってしまうんです。
そのため、数年分の質問を集めると毎年している質問や毎年ではないものの頻繁に聞いている質問があることが分かります。
繰り返し聞く質問は自治体が重視している内容なので、その質問に対する答えを準備しておくことは面接で高得点を取ることが可能。
さらに自己PRを課している試験では、何分の自己PRかによって用意する内容が変わりますし、面接や集団討論の進め方(途中で追加質問がある等)を知っているとイメトレがしやすく、余裕を持って試験に挑むことができます。
予備校のデメリット
それでは次は予備校のデメリットを解説します。
費用がかかる
予備校の最大のデメリットといえば費用がかかることです。
予備校や受講するコースにもよりますが、国家一般職や地方上級コースの通学形式では20~30万円、通信形式でも10~20万円はかかります。
独学だと科目数にもよりますが問題集と参考書だけ買えばいいので、1万円前後で済むのと比べると大きな違いですよね。
ただ考えようによっては、「何十万も払ったんだから勉強しないともったいない」とやる気が出ない時に自分を奮い立たせることができます。
それに高いお金を払うことで決心がついたり、自分を追い込む効果があるので最大のデメリットであると同時にメリットでもあるんです。
それでも高いですけどね(-_-;)
直前期に面接対策ができない時がある
予備校のメリットとして面接対策ができる点がありますが、直前期には面接の予約が集中して面接対策ができないこともあります。
これをデメリットとするかは微妙なところですが、「本番直前に模擬面接を〇回やって苦手意識をなくす!」という計画を立てていたとすると計画倒れになってしまう可能性があるんです。
とはいえ、独学ではそもそもハローワークやジョブカフェのような適切なアドバイスを期待できないところでしか面接の練習ができません。
さらに、直前期でも予約をすれば週に1~2回は模擬面接をしてもらえるそうです(校舎によりますが、LEC、TAC、大栄に通っていた方に調査済み)
講師や勉強方法を変えることが難しい
予備校のメリットとして勉強方法がブレないことをあげましたが、実際のところ勉強方法にも合う合わないがあります。
また、予備校の講師にはクセの強い方もいるので、「あの先生はなんか嫌だ」と感じることもあるかもしれません。
「中学や高校時代の好きな先生の科目は得意だけど、嫌いな先生の科目は苦手だった」という経験がある方なら分かるかと思いますが、先生に対する好き嫌いはその先生が担当する科目に対する感情に直結します。
単純ですが、公務員予備校でもよく聞く話です。
独学なら勉強方法は簡単に変えることができますし、独学の場合は苦手な先生はいないでしょうが、問題集や参考書の解説が気に入らなければ変えればいいですよね。
でも予備校だと勉強方法(カリキュラムなど)、そして講師を変えることは難しいです。
担任制のある予備校ならカリキュラムを一人一人に合わせて組み直してもらえますが、講師は変えることができません。
そのような勉強の自由度が低いことは予備校のデメリットと言えます。
正直合格するかどうかは本人次第
予備校のメリット・デメリットを紹介しましたが、正直なところ予備校に通っても通わなくても受かる人は受かりますし、落ちる人は落ちます。
これは単純な話でいくら予備校に通ったとしても、そこでしっかり勉強しなければ間違いなく落ちるからです。
しかし、予備校に通うことで環境を整えれば合格の可能性を大きく上げることができるのも事実。
合否は本人の努力次第ですが、僕個人的には予備校に通った方が合格しやすいと公務員志望の方をサポートする中でも感じています。
さいごに 費用さえ気にならなければ予備校には通うべき
公務員予備校のメリット・デメリットを紹介しました。
繰り返しになりますが結局通っても通わなくても本人がやるかやらないかで合否が決まるため、予備校と独学とどっちが合うかが重要。
今日紹介したメリットが必要ない、もしくはメリットに比べてデメリットの方が大きいと感じるなら独学でも合格できるかと思います。
しかし、勉強習慣がない方や意思が弱いと自分で感じる方は予備校に行くべきです。
もちろん費用がかかるので、それも踏まえて考える必要はあります。
ただ、費用が掛かると言っても高くても30万円なので、公務員になりさえすれば1年目のボーナスだけで十分元をとることは可能です。
ちなみに2019年冬のボーナスを職種、年齢別にまとめた記事もあるので参考にどうぞ。
1年目は夏のボーナスは全額は出ないためやや少なめですが、冬のボーナスは満額支給です。
逆に予備校が高いからと一時的な出資を渋って独学を続けて、それで合格できればいいですが、もしも落ちてしまうとさらに1年勉強に費やさなくてはいけません。
公務員になれば、1年目でも年収が300~400万円になるため、30万円の出費どころか数百万円を損することになり長い目(と言っても1年ですが)で見ると大きなマイナスです。
追記 公務員を目指すなら早く行動すべき
この記事を読んでいる方は当然ですが公務員を目指している方だと思います。
もし本気で公務員を目指すなら少しでも早く行動すべきです。
早く始めればその分筆記試験や面接対策にさける時間も増えます。
さらに年齢を重ねれば重ねるほど、求められるレベルが上がり面接で落ちる可能性は上がります(元面接官なので実際にその視点で見ていました)
もちろん、しっかり準備をしておけば年齢制限ギリギリでも合格できますが、ハードルが上がるんです。
迷っている時間にも他の受験生は勉強しているので、差は開くばかり。
ただ予備校に通うなら安くないので、迷うかもしれませんがまずは資料請求だけでもしておきましょう!
各予備校の資料請求は以下のリンクから可能です。
LEC、大栄・アビバ(リンクアカデミー)、TACは通学と通信講座があり、クレアールとアガルートは通信講座がメインです(面接のみ校舎で実施)。
LECの公務員サイトはこちら
資格スクール大栄
アビバの公務員講座(リンクアカデミー)
クレアール公務員カレッジ
それでは最後までご覧くださりありがとうございました。